古来、酒は自然からの恵みの象徴であり、神と交信するための手段であった。
そこに工業的な考え方は存在せず、酒とは祈りの象徴。
その時に人々が嗜んでいた酒は「どぶろく」。
時は流れ、室町時代中期(1400年代)の日本。
奈良県正暦寺の僧侶は経験と知恵を持って、自然のものだけで腐敗リスクを極限まで落とした酛造りを創醸した。
それが、超自然派の「菩提酛造り」。
それは現代の酒造り手法の原型となり、その後、奈良県の僧侶は「三段仕込み」「諸白造り」「火入れ」「上槽」を次々と生み出し、日本酒の歴史を変えた。
自然界に生育するものだけで生み出された「清酒」は人々を魅了し、
当時の酒は空気を吸い込むかのごとく、身近な存在であったに違いない。
ありとあらゆるモノ・コトが効率化・工業化し、混沌としている時代。
奈良県に脈々と受け継がれる自然・文化・歴史に敬意を払い、酒の神が鎮まる奈良県三輪の地で現代の技術力をもって菩提酛造りを復興し、酒文化をつなぎ、伝統を守って参ります。
本物の自然の恵みをお楽しみ下さい。