吉野杉の木桶で醸す
当蔵は、三輪山を覆う杉の恩恵を受け、清らかな水と米に恵まれながら、360年以上にわたり酒造りを続けてきました。杉への感謝と敬意を込め、「みむろ杉 菩提酛シリーズ」の象徴である木桶菩提酛は、すべて吉野杉の木桶で醸しています。吉野杉を使用する理由は、その木材が最高品質であることに加え、三輪と深い縁で結ばれているからです。
明治時代に発行された技術書「吉野林業全書」によれば、吉野杉は1500年代に三輪山の杉が移植され育てられてきた、と記されています。
江戸期以降は伊丹・灘五郷など上方酒造業の発展に伴い、吉野杉は木桶・樽用の酒造用材として隆盛を極めました。
吉野杉が重宝される理由は、木自体の香りが良いことに加え、幹の年輪幅が狭く、節がないため、木桶にして酒をつめても漏れにくいからです。これは密植と間伐を繰り返し長い時間をかけて1本の木を育てる、林業家のなせる技です。
杉への感謝、吉野林業家達への敬意をこめて、木桶菩提酛を醸します。